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連立時代の渦中で
では、実態はどうか?池田氏の創価学会関係の会合での発言を追うと、七〇年五月の「猛省」講演自体が、その場しのぎの発言に聞こえてくる。たとえば九四年九月、マスコミとのオフレコ懇談会で、池田氏はこんなことを言っている。

「今後も学会が政治に関わっていくことはやめません。教義の実現には、政治の力が必要だ。そのために公明党を作ったわけですから、それは今でも変わらない」

そして、九三年八月八日、軽井沢で開いた創価学会第六十九回本部幹部会で、池田名誉会長は世にいう有名な「デイジン(大臣)発言」を行った。

「すごい時代に入りました。そのうちデイジン(大臣)も何人か出るでしょう。もうじき、明日あたりです。みんな、みなさん方の部下です」

池田氏はそう言って、出席した女性幹部の夫を持ち上げただけではない。「非自民」を看板にして、翌九日に発足する細川連立内閣に公明党から入閣する四人の閣僚の名前を、閣僚名簿発表の前に、どんぴしゃりと言い当てて大はしゃぎをした。公明党の真の支配者はだれなのか、だれでもすぐわかる、池田氏の得意絶頂のパフォーマンスであった。

もっとも、順風満帆とはいかないときもあった。宗門(日蓮正宗)は九}年、創価学会を破門。翌九二年には池田名誉会長を除名した。創価学会は日蓮正宗との一切の関係を断ち切られ、宗教法人として最大の危機を迎えた。八〇年代末から九〇年代初めにかけて一挙に噴き出しか、公明党・創価学会の数々の不正、腐敗、スキャンダルの社会的責任が問われたのだ。
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