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臓器輸送システムの確立
臓器移植には、このような緊密な連携作業が必須であり、その目的を果たすためのチームーワークの確立が重要である。移植医の好奇心や名誉心などでできるような生やさしい医療ではなく、熟練した移植コーディネーター、移植ネットワーク担当者、医師、看護婦、事務担当者、さらに臓器の輸送に協力する人々などによる結束したチーム・ワークなしではけっしてできないのが臓器移植であることを認識することが大切なのである。

移植医が移植コーディネーターと一緒に、ドナーのいる病院と移植手術をする病院との間を最短時間で、しかも分単位の正確さで往復しなければ、せっかくの臓器移植も効果が弱まり、移植後の成績に芳しくない影響を与え、ひいてはレシピエントの生命を奪うことにもなりかねない。それゆえ、迅速で機敏な臓器輸送システムを確立しておくことが、どうしても必要である。

比較的にあまり遠くない距離の往復ですむようならば、ヘリコプターでの往復がよい。そのためには、臓器移植に関与する病院あるいはその近くにヘリポートを建設しておく必要がある。また、かなり長距離を輸送する必要がある場合、たとえば半径八〇〇キロメートル以内の病院で亡くなったドナーの臓器を輸送する必要のある移植手術実施病院のような場合には、病院の最寄りの飛行場に小型ジェット機を常備させ、病院と飛行場との間は、ヘリコプターで往復できるようにする必要がある。以上の制度や施設などが満足にない状態では、誤解のないガラス張りの臓器移植医療はなかなか進展しないであろう。

もし、元気なうちに「自分が死亡した場合には臓器提供をしたい」という意思を表明していたドナー候補者が死亡したと診断された時に、臓器移植コーディネーターが、レシピエント候補者の中にドナー候補者と医学的に組織適合性が高い患者を探し当て、ドナーの家族とレシピエントに連絡して両者の承諾を得た後に移植医に連絡したとする。

そして、ドナーの家族とレシピエントが臓器移植の実施を移植医に要請し、移植医が決断して臓器移植を実施することにしたならば、倫理的にも、法的にも、社会的にも、もちろん医学的にも、何ら問題がないといえよう。すべての関係者の納得と同意の上で実施される臓器移植によって、レシピエントの生命の質(QOL)が向上し、社会復帰して働ける可能性すら与えられるからである。
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