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二酸化炭素が大量に排出される
ヨーロッパの経済学者たちの間では、産業革命以来、あまりにも科学技術の力に頼りすぎて、人間と自然とを無視し、破壊してきたことに対して、謙虚な気持ちをもって反省し、地球温暖化の問題に真摯に対応すべきだという雰囲気が支配的でした。それに対して、アメリカ、イギリスの経済学者のなかには、地球温暖化の現象そのものを否定し、この問題を真剣に考えようとする人々を柳楡する態度を示している方々もいました。とくに、その中心になっていたのが、イェール大学のウィリアムーノードハウス教授でした。

ノートハウス教授は、アメリカを代表するすぐれた経済学者でしたが、力ーター大統領の時代に、大統領経済諮問委員会のメンバーとして、地球温暖化の問題を担当するようになってから、すっかり変わってしまいました。学者が政治権力に近づいて、学問的にも、人間的にも権力の奴隷になってしまうのをよく見受けます。ノートハウス教授の場合も、その典型的な例としか思えません。

アメリカ政府は、地球温暖化の問題に対して最初から非協力的な態度を取りつづけてきました。その原因は経済的なものです。第一に、アメリカの国内には、石炭の埋蔵量がそれこそ無尽蔵にあって、露天掘で掘り出すことができ、安い費用で燃料として使っています。石炭の燃焼によって、二酸化炭素が大量に排出され、地球温暖化をひきおこすだけでなく、硫黄酸化物などの有毒物質も大量に排出され、さまざまな公害問題の原因ともなっています。しかし、アメリカ経済は、原価の安い石炭に大きく依存しています。その上、石炭の産地はほとんど、きわめて貧しい地域に偏在していて、石炭への依存度が低くなると、これらの貧困地域で深刻な雇用問題がおこるわけです。

第二に、アメリカでは、自動車なしには生活できないようになっています。都市のつくり方も、都市間の交通のおり方もすべて、自動車を利用するということが前提となっています。これまで何度もふれましたように、自動車は公害の横綱といってもよいほど、自然環境を破壊し、社会環境を汚染します。しかも、地球温暖化の問題についても、自動車がその主な原因の一つとなっています。

アメリカ政府が、地球温暖化に対して、消極的な態度をとり、人気安定化のための国際協定についても反対しつづけてきたのも、このような経済的嘔情があるからです。ノートハウス教授のようなすぐれた経済学者が、政治権力に汚染されて、地球温暖化という、将来の世代に大きな被害をりえかねない問題にかんして、学問的逞場を曲げてきたことに対して、私は前々から心にかかっていました。
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