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「世界のためのパン」
「OXFAMは人々の尊厳と、そして、彼らを圧し潰し、搾り取るような問題と圧力を克服する能力を信じている。OXFAMは、このような信念をともにする人々、いかなる人種、性別、宗教、政治にかかわらず、衣食住とまっとうな生活という基本的人権のために活動する人々のパートナーである。もし平等に分かち合うなら、世界の資源はすべての人々のBHNを満たすに十分だと、私たちは信じている」カンプチアで知り合ったIバをはじめアジアの国々で出会ったOXFAMのすぐれたワーカーたちはこのような信念に支えられて、その国の人々と苦楽をともにしているのではないだろうか。英国病などとけなす日本人の方が、人間として大切な何かが欠けている気がした。

韓国人被爆者に西ドイツから援助の手がさしのべられていると聞いたときには、日本人として複雑な思いにかられた。八〇年五月、民主化を求めて市民たちが立ち上がった韓国の光州事件の犠牲者遺族たちにやはり西ドイツから援助が届いていた。両方とも、キリスト教系の海外援助市民団体「世界のためのパン」からだった。フィリピンでも、マニラ最大のスラム、トンドの住民組織をこの団体が支援していた。両国の独裁政権を日本政府は巨額の援助で支えてトたのだが、そのような政権に苦しめられ闘ってトる民衆の運動を世界のためのパンはサポートしていたのだ。

八六年二月、タイのバンコクで開かれたインドシナ三国への援助のあり方を討論する「インドシナーワークショップ」(【世界教会協議会=WCC】と「アジアキリスト教協議会」〔CCA〕共催)に、世界のためのパンのディレクター、ハンスーオアナの場合は逆に、日本政府は政治的理由でベトナム、カンプチアに援助をストップしており、その両国を世界のためのパンは援助しているのだ。

「長い戦争に痛めつけられたあげく、その傷痕に呻吟する人々を人道的な立場で助けるのはキリスト教精神からいらても当然のことだ」と、世界のためのパンをはじめ、インドシナ三国で援助活動を続けている欧米の十余のキリスト教系NGOの代表が、このワークショップに集まった。だが同じアジアの日本のキリスト教会からは来ていなかった。バーン博士は体の一部が麻痺している身障者だが、ベトナム各地の農村をまわってきたところで、ベトナムの人々の苦痛、窮状を生々しく伝え、援助の必要性を訴えていた。

会議でカソプチアの開発のあり方やカンプチア民衆の実情を国際世論にどう伝えるか、など真剣な議論を聞きながら、たった一人の日本人の私は居心地が悪かった。独裁政権には巨費をつぎ込みながら、社会主義政権には援助を拒む日本政府と、そのどちらの国の民衆にも援助する西欧の民間団体1日本の宗教団体はベトナムやカンプチアから出て来た難民の救援には熱を入れても、イデオロギー上の理由からか、政府の方針に従うためか、政治体制の違うこれらの国の中にとどまっている民衆には手を差しのべていなかった。

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